加締め(カシメ)加工とは?

塑性変形を利用して複数部品を接合させる機械的接合の一種です。一般的に、加締め(カシメ)というと自動車の外装パーツなどの板金部品同士を接合させるために使用されるイメージが多い工法です。特に、二枚の板金部品に開いた穴の中にリベット等の棒を入れて、反対側の穴からリベットの先を変形させることで締結させる方法が頻繁に採用されています。

当社が行う加締めは機械加工部品同士を油圧・空圧機器などの機構部品の気密性を担保するために使用される工法である為、少しイメージが異なる工法と言えます。

当社が手掛ける加締め(カシメ)加工とは?

1.球面加締め(カシメ)技術

加締め技術の中でも特徴的な一つと言えるのが、球面加締め技術です。自動車・建機・航空機などの油圧回りのパーツとして使用される製品で、球体の相手物に対して、キャップをかぶせ、キャップの端面を特殊なプレス機(自社製の特注機)を用いることで球体部分とキャップ部を隙間0.04mm~0.08mmで加締めることが可能となります。(球面部当たり66%以上)

これにより、油圧量に応じて球体部を面にキャップが”フレキシブルに”回転することが出来るので、油圧バルブの機能を発揮します。小型ロボットのアーム部分や、空圧機器の3次元回転軸など応用範囲は多岐にわたる為、本球面加締め技術は様々な大手企業の皆様にご好評いただいております。

2.4点加締め技術

4点加締めは先にご紹介した球面加締めに対して技術的な特殊性という点では劣りますが、用途が多岐にわたる加工技術です。この4点加締め技術も、建設機械メーカー向けの油圧バルブや自動車関連でも使用されています。

写真の製品もガソリン車のエンジン機構で使用される方位性バルブで4点を押さえる構造になっています。4点加締めは軸となるシャフト部をボディ部に挿入した後、ボディ部分の4点を同時にプレスすることでボディ部分から肉盛りをするようなイメージとなり、軸部が固定されます。完全に溶接するわけではありませんが、写真の反対面から油圧がかかった際、止まる為の機能を担います。

※2点加締めを行う場合もあります。

3.円周加締め技術

最後にご紹介するのが、軸部を中空かつ円筒形状パーツに挿入し、プレスをすることで加締める技術です。

先にご紹介した球面加締め(カシメ)技術とは異なり、軸物のシャフトを加締める工法で写真の様なイメージで外形部の肉を内側に寄せることで、下方向からの加圧時、軸が外に出てこないようにするための工法です。こちらも量産となった際には、専用の加締め機を設計し、製造にあたりました。

このように当社では、おもに3つのパターンの加締め技術を有しており、ここ数カ月加締め技術に関するお問合せを数多くいただいております。量産パーツに対する高精度な加締め技術をご要望の方は当社にお問合せください。試作案件から対応をいたします。